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スタイリストお任せに助けられた日
いろんな美容院や美容室を試してみるのが好きで、新しい美容院ができるたびに顔を出したりしていましたが、最近は駅前のそんなに大きくない美容室に落ち着いていました。そこは店長さんはじめスタイリストさんがみんなほんわかした雰囲気で、わたしの要望にも丁寧にきちんと応えてくれました。結構細かいところまで指示したりするんで、嫌がられてなかったか心配になるくらいで。
でも彼氏と別れたすぐ後ではどうしたらいいのか分からなくて、美容室の椅子に座って全部お任せしてしまいました。とめようと思ってもあふれてくる涙に何度もタオルを替えてくれながら、スタイリストさんはわたしの髪をばっさりと切り、調えてくださいました。
全部終わって鏡を見ると、ちょっと目の赤い、すっきりした顔のわたしが映っていました。驚いて見上げた私におっしゃるのです。
「何度かお越しになったときに、こういう感じも素敵だろうなって、ずっと思ってたんです」
肩ひじ張らずに、任せてくださいね。そんな風に瞳が語っていました。スタイリストさんは、わたしよりずっとたくさんの人の髪を見て整えてきたんですよね。スタイリストお任せはちょっと怖くて、と思っていた自分が恥ずかしくなりました。全部任せる。新しい楽しみがふえて、次はいつ行こうか迷っています。